眠る蟻の考察

ふたりのPによってかんりされるブログです

【誰ソ彼ノ淵】【クルリウタ】歌詞考察【後編】

 



 この記事は【誰ソ彼ノ淵】を考察する2人のPのうち「うたたねP」によって執筆されています

 かんたん考察です。ネタバレを含むのでご注意ください。

 

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【考察していく上での前提情報】

 【クルリウタ】に関連するすべてのコンテンツは密接に関連しあっています。

 なので、イベント含む各種コミュ、SSR衣装、SSRイラスト、MV、ボイスドラマ【誰ソ彼ノ淵】などの情報を適宜絡めながら考察していきたいと思います。

もちろん当然ネタバレ純度100%なので気をつけてね。

 

 歌詞を考察する記事を前編と後編に分割しています。

 前編では、【クルリウタ】「1番」の歌詞を考察しました。

 後編では、残りの「2番」と「ラスト」の部分を考察します。 

この記事は後編になります。

【前編はコチラ】

uttn3.hatenablog.com

 

 それでは、この悲劇と狂気に彩られた楽曲を、引き続き一緒に読み解いていきましょう。

 

【クルリウタ】 2番 溺れゆく北沢志保

 

 見出しでお気づきですね。
 そうです。【クルリウタ】2番の歌詞は『メイド・北沢志保』のお話です。

 

 2番を読み解くことで、メイド・北沢志保がその身を狂わそうとする衝動にいかに抗っているかがわかります。抗っている!?

 

 そうです、志保は抗っています。狂気に呑まれまいと必死に。

 まぁそれも時間の問題ですが…。

 

 彼女がこの島で行ってきた禁忌の過ち。必死に、懸命に抗おうとする孤独な戦い。心の奥底で脈動する甘い衝動と誘い…。それが悲嘆と共に描き出されるのが2番です。



 考察本編に進む前に

 

 前回、千鶴のSSR衣装に触れたので、志保のSSR衣装についても考察しておきましょう。

 

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 志保のSSR衣装も、千鶴と同じくがモチーフです。かわいいですね。

 クラシカルなメイド服のデザインを思わせます。よくみると志保が着ているのは和服であると分かります。メイド服、和服、ブーツなどの要素が取り入れられており、和洋折衷と言える衣装です。かわいいですね。

 このような和洋折衷な衣装は、文明開化により舶来文化が広まった時期のものと非常に親和性があります。だいたいその辺の時代の衣装じゃないでしょうか。

 

 千鶴の衣装と同じく、蝶の翅の意匠が用いられています。かわいいですね。

 モチーフとなった蝶はオオカバマダラです。モナーク・バタフライとも言い、渡り鳥のように遠距離を移動する「渡り蝶」として有名な蝶です。

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かわいいですね。

 

 太平洋の一部の島やオーストラリア、ニュージーランド等にも生息しているんだそうです。

 嵐に乗って小笠原や南西諸島まで飛来してしまう『迷い蝶』もいるのだとか。

 

 …嵐に巻き込まれて日本のまで飛来する『迷い蝶』ねぇ…へぇ…。



 しかし、千鶴の翅と比べて志保の翅は小さいですね。おまけに黒いリボンが上から被さっていて見えづらくなっています。一体どうしてでしょう?

 

 それは、志保が狂気に呑まれきっていない=まだ蝶に羽化しきっていないからです。まだ。

 千鶴が完全に羽化を終えた(狂気に飲まれきってしまった)蝶の成虫だとすれば、志保は狂う間際で必死に耐えようとしている状態…言わば羽化寸前のさなぎなのです。

 

 

 

Q.羽化寸前のさなぎって?

 

 

A.こーゆーこと

 

 

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 これはオオカバマダラのさなぎです。左が通常のさなぎで、右が羽化する寸前のさなぎになります。

 オオカバマダラには面白い生態があって、通常のさなぎは左図のように緑色や黄緑色なのですが、羽化する直前になると内部が透けて全体が光沢のある黒色に変わるんです。

 

 羽化する直前に黒色に変わるんです。

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 そうですね、志保ですね。「羽化する寸前のさなぎ」だと言った理由がコレです。

 

 千鶴に比べて小さな翅は、未だ羽化しきれていないギリギリの状態を。

 翅に重なっている黒いリボンは、今まさに少しずつ破りつつあるさなぎの外膜を表しています。
いかがです?オオカバマダラの生態と志保ちゃんのSSR衣装、見事に合致しているでしょう?

 

 もう一点、志保が着ているメイド服の表面に施された植物状の模様ですが。

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 コレですね。

 

 コレはオオカバマダラの幼虫が食べる植物『トウワタ』です。

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 トウワタの特徴的な5枚の花弁、細く伸びた茎などの意匠が施されています。かわいいですね。

 それにこの色、志保のSSRアナザー衣装の色合いとソックリです。

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 とてもかわいいですね。アナザー衣装については別の機会に…。

 

 トウワタは、英名をアスクレピアスと言います。ギリシャ神話に登場する同名の医者・神さまが名前の由来なのだそうです。不老不死や死者蘇生とも強い繋がりがあるのだとか。

 アスクレピアスという名が付けられたのは、トウワタが薬草として広く世界中で使われてきたからです。志保の覚醒前SSRイラストでも、野草を採取していますね。

 またの英名をBlood Flower(血の花)とも言うそうです。かわいいですね。

 

 ちなみにですけど、トウワタ花言葉「健康な体」「私を行かせて」「心変わり」だそうです。いったいどこまで意図して作られたのか分かったものじゃないですね。

 

 物語の重要人物である千鶴と志保に共通する蝶のモチーフ。

 調べていくと、恐ろしくなるほど詳細に設定が練り込んでありました。

 脱帽です。驚愕です。一番狂ってるのは製作陣ですって、絶対。



 では2番の歌詞考察に進みましょう。 

 

クルリウタ 2番 歌詞

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【かんたん解説】

 

『ご覧 また人間(ひと)が人間(ひと)を 奪う 「違う」惑う本音(こえ)は消えた』

 

 千鶴に従うまま殺人を犯している志保が自らを客観視しているような場面です。自分が犯してきた罪過を、諦観と共に冷たく振り返っているようなニュアンスを感じます。

 

 一番と違うのは、『惑う本音(こえ)は消えた』となっている点です。

 千鶴の場合、自ら「本音(こえ)を消し」ていますが、志保は自分の意志とは裏腹に「本音(こえ)は消え」ています。

  そこから「自らの意思に反して殺人を続け、いつしか何も感じなくなってしまった」というニュアンスを読み取ることが出来ます。志保も初期の千鶴と同じように、その行為に躊躇いや葛藤を抱いていたことが見てとれます。

 

 『赤く綻ぶ 狂気に触れて 伝染った この胸の中 

 甘く鮮やかに 過ち咲かすのか』

 

  綻ぶとは、蕾が開きかけるという意味であり、『く綻ぶ』とは志保が幾度も繰り返してきた「ナイフで人を刺殺した際の血しぶき」の比喩と捉えることもでます。

 志保の胸中に花開きつつある真っ赤な狂気、という観念的描写と捉えることもできますね。

 トウワタの花もBlood Flowerという名でしたしね、そのまんまやん。

『甘く』『鮮やかに』という言葉は、千鶴の場合と同じように狂気=抗いがたい衝動と快楽を伴うものと考えられます。繰り返される過ちが、志保の心に匂い立つような狂気のつぼみを綻ばせているのです。

 

『殺めるべきは 愛しいぬくもり それとも欲望(くうふく)か』 

 [愛しき蕾 触れさせはしないの]

 

 『殺めるべき』という歌詞は、1番の『守るべき』という歌詞と対になっています。選択肢は『愛しいぬくもり』か『欲望(くうふく)』か。

 

 『愛しいぬくもり』とは志保が本来持っていた倫理観や人間性であり、狂気に呑まれまいと必死に抗おうとする意志の表れだと解釈できます。

 

 『愛しいぬくもり』と『欲望(くうふく)』とで「理性」と「欲望」の対立を表し、1番の歌詞『この世の道理』か『真心(しんじつ)か』と同じ対比を演出する構造となっています。

 千鶴を描写した1番では『世の道理』には裏のコーラスの『夜の帳』がかかっていました。

 志保を描写した2番では『愛しいぬくもり』に裏のコーラス『愛しき蕾』がかかっており、『触れさせはしないの』と続きます。

 1番の歌詞『この世の道理』と対応した「理性」の表現です。

 対して『欲望(くうふく)』は志保を飲み込みつつある狂気の比喩であると考えられます。いけないことだと分かっているのに、食べたくて食べたくて気が狂いそうになるほどの空腹感に苛まれているのかもしれません。

 

 狂気に呑まれまいと抵抗する志保の絶望的な姿が痛々しく描写されているわけですね。

 

 『今を明日を 全てが欲しいと 滴る心』

  [全てが欲しい 狂り 滴る心]

 

 狂気に苛まれ続ける志保のことです。

 必死の抗いも虚しく、志保の心は徐々に狂気に染め上げられていきます。

 「今」が表すのは狂気に呑まれゆく快楽のことだと考えられます。

 

 それに対して「明日を」が表すものはいったいなんでしょうか。未来、即ちこの状況から脱して人間として生きていく希望のことでしょうか。それとも狂気に飲まれきって、欲望のままにソレに手を染め続けていくことなのでしょうか。『滴る心』という歌詞からはより増大していく内面の欲求を感じ取れます。

 

 限界ぎりぎりの志保の心もまた、千鶴と同じように食人への激しい欲求、衝動に苛まれていることが表現されているものと考えていいでしょう。

 

2番歌詞考察 まとめ

 

・【クルリウタ】の2番は志保視点の歌

・狂気に呑まれまいと必死に抗う志保の姿が描かれる

・完全に狂ってしまうのはもはや時間の問題

 

 簡単にまとめるとこのようになります。悲壮感と絶望感がハンパないですね。

 

 志保も茜ちゃん一行と同じように、外部からこの島にやってきた普通の人間だったと思われます。

「迷い蝶」オオカバマダラのモチーフの通りですし、屋敷の前で茜ちゃん一行と最初に出会ったシーンで、「船が遭難した」と聞いた時にわずかに狼狽えるような反応を示したからです。

 「この人たちも…私と同じように…」なんて考えていたのかもしれません。

 ボイスドラマで千鶴が茜ちゃん一行に、島に留まるよう提案したことを覚えてるでしょうか。志保はその提案を受け入れた…いや、生き延びる為に受け入れざるを得なかったのでしょう。そうだとすると志保も、この悲劇の犠牲者なんですね。

 

 この辺は後日別の機会に深く掘り下げていきたいと思います。




【クルリウタ】ラスト考察 そして【誰ソ彼ノ淵】へ



 1番、2番と順に【クルリウタ】の歌詞を読み解いてきました。ラスト部分の考察に入りましょう。



クルリウタ ラスト 歌詞

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【かんたん解説】 

 

 非常に繊細かつ重要な部分なので、慎重にみていきましょう。

 

『儚く美しく 愛を 陰ることない永遠を 貴方とたった一つの 哀を ひと躰へと』

 

 【クルリウタ】で私が最も好きなパートです。

 この部分は全て千鶴の視点で、「娘」へ向けて歌われています。千鶴にとっての『儚く 美しく 愛を』向ける対象は「娘」に他なりません。

 

 『儚く美しく』は有限、有終の虚しさと美しさを、『陰ることない永遠を』は完全、不変、不老不死や、失われることのない永遠をあらわします。

 

 私はこの歌詞に2通りの解釈があると考えます。

 1つ目の解釈は、『儚く美しい』という言葉の対象が「実の娘そのもの」だった場合。心からの愛情を込めて育て、慈しみ、「いつまでも元気に幸せに暮らしていけますように」と願う存在です。

 

 2つ目の解釈は、『儚く美しく』という言葉の対象が「代々の娘役の少女たち」だった場合。最も美味、最も甘美な快楽を得られる最上級の食材たちです。

 愛し育てた彼女たちを食べることで、『陰ることない永遠』つまり不老不死や永遠の若さを得ることが出来ると解釈できます。

 

『貴方とたった一つの哀を』については

 

 1つ目の解釈なら、実の娘との間に起こしてしまった唯一無二の悲劇を『哀』すなわち「愛」で表現している。

 2つ目の解釈なら、娘役の少女一人ひとりの悲劇、彼女らが持つ唯一無二の『哀』しみそれ自体を指している。

 

と捉えられます。

 

『ひと躰(ところ)へと』についてもまた

 

 1つ目の解釈なら、埋めようにも決して埋められない喪失感、そして慙愧や悔恨の念と共に。

 

 2つ目の解釈なら、最高の食材で最高の料理を味わい、より深く深く狂ってゆく悦びと共に。

 

 食べて、自らの一部としてしまう、と解釈できます。

 

 繰り返しになりますが、その行為には打ち震えるほどの快楽が得られる、という解釈が存在し、作中やMV描写、オルPの解説を考慮しても恐らくそうであろうと考えるのが最も自然な解釈になります。あいにく私は体験したことがないのでそういう他にありません。オルPならわかるかな?

 

 同音の『愛』と『哀』とを重ねて考えることも可能ですので、これらの解釈が両方同時に成立していると考えることもできます。

 

※2022/08/08 この記事を加筆・修正した時点で、他にも色々な解釈の仕方があるんだなあと感慨深く再考察しています。色んな解釈があっていいよね、楽しいし。

 

 ここまで1番、2番、そしてラスト部分の半分の歌詞を考察してきました。

 謎に包まれていた女主人・二階堂千鶴とメイド・北沢志保の隠された過去が明らかになりましたね。



 

 

 

 

 

 それでは、ここからが本番です。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここからが【誰ソ彼ノ淵】です。




 

 

 

 

 

 

 

 

  お気づきになりましたか?

 この【クルリウタ】という楽曲は、時系列に対応して曲が進行しています

 1番から2番、ラストへと向かうにつれて、物語も過去から現在に向けて流れているのです。

 

 そう。歌詞の最終局面に至ったここが、ここからが【誰ソ彼ノ淵】本になります。

 

 

『守るべきはこの世の道理(ことわり) それとも真心(しんじつ)か 

 救い願う 二つの瞳に 狂おわせ』

 

『響く悲鳴(こえ)は 嘆きのはじまり それとも祝福か』

 [嘆きの光 抱きしめていくの]

 

『繰り返される 宿命(さだめ)は愚かに 夜に堕ちてく』 

 [宿命(さだめ)愚かに 狂り 夜に堕ちてく]

 

 

 まず注目する点は『救い願う 二つの瞳』が一体誰を示しているのか?です。

 通常、「二つの瞳」は人間1人分になりますが、この歌詞と文脈からは1人ではなく、2人存在していることを伺わせます。

 救われたいと願う二つの瞳に『狂おわせ(る)』ことから、該当する2人の人物は救われることなく、これからも狂っていくことになるだろうと予想されます。

 

 んー…恐らくここも人によって色々な解釈があると思うんですけれど。私はこう思いますね。

 

 

 

 

 

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 『響く悲鳴(こえ)は 嘆きのはじまり それとも祝福か』

 

 ボイスドラマをお聴きになったならば、この歌詞がボイスドラマのどのあたりになるのか大体見当がつくと思います。

 

 島に響き渡った悲鳴は、救いを願う1人目の人物、茜ちゃんにとって『嘆きの始まり』となりました。

 

 では、『祝福』とは一体誰にとってのものなのでしょうか。

 

 それは志保。救いを願う2人目の人物、館のメイド・北沢志保です。

 

 2番の歌詞考察の中で、「志保は狂気に呑まれまいと必死に抗っている」と書きました。同時に「完全に狂ってしまうのは時間の問題」とも。

  

 「祝福」とは、狂気に呑まれつつもギリギリで必死に抗っている志保自身が、深く暗い淵へと堕ちていくことと捉えられます。

 『嘆きの始まり』は裏のコーラス『嘆きの光』と重なり、『抱きしめていくの』と続きます。

 志保について語られた2番のコーラス『触れさせはしないの』と対になっていますね。2番では『触れさせ』ようとしなかったものを、ラストでは自ら『抱きしめて』、そして堕ちてゆく。私にはとても残酷で悲しく、美しい描写に思えました。

 志保にとって、それは確かに「祝福」なのです。

 遂に最後の一欠片の人間性をも呑み込まれ、人間以外のものに完全に変貌を遂げてしまう…「嘆きの光による祝福」です。

 1番の千鶴にとっては、「蠢く痛みと空腹」でした。千鶴の場合と志保の場合とで、歌詞がちゃんと連動していますね。

 

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 ミリシタのMVでは1番のみですが、同じ箇所にあたる部分では、舞台全体に明るく光が満ちて、上部から白いスポットライトが差し込みます。

 ここのシーンだけ、【クルリウタ】の内容やイメージとは正反対の明るく神々しい演出がなされています。

 それもそのはず。このシーンで演出されているものが『祝福』だからです。

 1番の歌詞では千鶴が人間でないものへ変貌を遂げる事を。

 2番では、完全に狂気に呑み込まれてしまった志保にとっての『祝福』を。

 

 それぞれ表現してあるものと理解することが出来ます。

 

 

『繰り返される宿命(さだめ)』

 

 茜ちゃんにとっては、先生と友達を殺され、自分だけ重傷を負いながらも生かされ、次の娘役としての宿命に堕ちていくことです。茜ちゃんにとっての『嘆きのはじまり』です。あれは確かに、次の犠牲者である茜ちゃんにとって絶望でした。

 そして志保にとっては、幾度となく繰り返してきた凶行の末に人間性が摩耗し尽くし、人間以外のモノに完全に変貌を遂げることです。

 

そして、千鶴もまた、再び。

 

 救いを願う二つの瞳とは茜ちゃんと志保の2人のことなので、2通りの解釈が存在します。恐ろしいですね。

 

 実は、もう一つの解釈の仕方もあるように思っています。これはメタな視点からの話になるのですが、共同考察者であるオルPのストーリー考察に書かれた通り、この物語を『クトゥルフ神話TRPG』におけるセッションとしてとらえた場合、何度でも繰り返すことができるということです。

 詳細は是非そちらの記事をご覧ください。

【誰ソ彼ノ淵】【クルリウタ】ストーリー考察(オル) - 眠る蟻の考察

 

 『愚かに』という歌詞は…まぁ文字通りの意味なんでここで書くことは無いのですが。

 

『繰り返される宿命(さだめ)』を【誰が】愚かだと見ているのか

 

 という点について、後日別の機会に深堀りしてみたいなと思います。



『夜に堕ちてく』

 

 狂気に呑まれ、人間ではないものに変貌していくことの比喩表現になります。

 

『夜』という単語は「誰ソ彼ノ淵」→「黄昏」と関連したものです。「黄昏」とは「夕暮れ」のことですね。

 

『堕ちてく』という単語は「誰ソ彼ノ淵」→「淵」…つまり川と関連したものです。

 

 「ふち」が「縁」ではなく「淵」となっているのは、底知れぬほどの深い深淵を表現したものであろうと思われます。あとクトゥルフ神話TRPGとの兼ね合いもありそうな気がしますね。

 

 また、「淵」という言葉には容易に抜け出られない苦しい境遇 苦境

という意味も含まれていますので、まさにドンピシャなネーミングです。

 

 そして、誰ソ彼とは「あなたは誰ですか」という問いかけの言葉です。

 問いかけるのは志保、そして問いかけられるのもまた志保です。

 つまり【誰ソ彼ノ淵】とは

狂気に溺れ変貌してゆく己に対し問いかけ続ける志保の唄」なのです。

 総括しましょう。

 

誰ソ彼ノ淵とは、夜に堕ちてくことです。

 

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【クルリウタ】の最後の歌詞で【誰ソ彼ノ淵】のタイトルをしっかり回収するという、バリバリにエモい最高の展開を魅せつけてくれます。魅せつけてくれました。鳥肌です。絶賛です。狂気です。

 

 これが端的によく表れているのが、二階堂千鶴北沢志保SSRイラストです。

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 千鶴は、歌詞の時系列で現在にあたる【誰ソ彼ノ淵】時点で既に堕ちてしまっているので、覚醒前、覚醒後のどちらも夜の場面です。

 一方志保は、【誰ソ彼ノ淵】時点で堕ちるギリギリの段階なので、覚醒前は夕暮れ時(黄昏時)、覚醒後は堕ちた場面(夜)になってるんですね。




ラスト歌詞 まとめ

 

・改めて描かれる千鶴の狂気

・【クルリウタ】は時間の流れに忠実に作られた楽曲

・ラスト部分になり、遂に【誰ソ彼ノ淵】が描かれる

・救いを願う二つの瞳とは、茜ちゃんと志保のこと だが救いはない

 

 しんどいよ!

 いや本当に。ここまで全部見てくださった方は分かると思います、この狂気と救いの無さ。

 

 歌詞考察 総まとめ

 

・1番の歌詞は千鶴の過去。最初の食人を犯し、狂気に呑まれるまでを描いている。時系列でもっとも過去の出来事。

・2番の歌詞は志保の過去。千鶴に従い殺人と食人を繰り返す中で狂気に呑まれつつある様を描いている。時系列で1番よりも後、【誰ソ彼ノ淵】本編の前。

・ラストの歌詞は【誰ソ彼ノ淵】本編。時系列で現在の出来事。

【クルリウタ】の歌詞考察はこんな感じで終了です。

 

 でもねーまだ書き切れてないことがいっぱいあるんですよね。

 

誰ソ彼ノ淵って何?とか

クルリウタって何?とか

千鶴さんはどうして狂っちゃったの?とか

千鶴さんの娘ってどういうこと?とか

年収は?恋人は?実家は?とか

あの孤島って何?とか

お話のモチーフって何?とか

トゥルーエンドへ行くにはどうすればええねん…とか

ベースになった設定のアレやコレとか

アイドルっていったい何なのよ…!とか

歌詞考察なのに『延々 繰るり 怨 狂りの部分考察してへんやないか!

とか

 

ね。

 

色々…うん!色々ね!

 

 多分また後日、色々なところを色々な方法で深堀しまくる誰得考察をまた書こうと思ってます。オルPもやる気満々みたいだし。

 

 とりあえず、今回はここまで。

 【誰ソ彼ノ淵】や【クルリウタ】についての関連記事も是非ご覧になってくださいね。

uttn3.hatenablog.com

uttn3.hatenablog.com

 

uttn3.hatenablog.com

 

 こちらは深掘り考察になります。ストーリー考察や歌詞考察の記事を先に読まれることをオススメします。

uttn3.hatenablog.com

 ここまで読んでいただきありがとうございました。コメントなどで感想を頂けると嬉しいです。Twitterアカウントにコメントを頂いても反応しますので、そちらにもドウゾ。

うたたねP:@uttn3P

 

 

※2022/08/08に加筆・修正を行いました。